EYEVAN

 


 

EYEVAN × KYOTO
interview 19

「時代に寄り添い、香りも変わりゆく」
林龍昇堂 6代目 林 慶治郎 さん ( 天保5年 / 京都市中京区 )
日本の香文化の中心地として1000年以上の歴史を誇る京都で、1834年から続く林龍昇堂。
天然素材にこだわって作られるお香は繊細で奥深い香りを生み出すことができます。
伝統技法を守りながらも現代の暮らしに合うお香を作り続けている6代目 林慶治郎さんに話を伺いました。
お香について
いいと思ってもらえないと何にもならない
「香りは、値段が高いから良いというものではありません。やっぱり皆さんそれぞれの好みがありますので、一概に『この香りがいい』と思っていても、お客さんがいいと思ってくれなかったら何にもならない。
やっぱり会話が大事なんです。好みとかを吸収しないとダメで。 うちはお客様が来店した際、直接お話ししたり、実際にお香を焚いたりすると喜んでいただけることが多いのですが、こちらも研究しているような感じですね。
ニーズに合わせて、一生懸命、試行錯誤して頑張っています。」

残り香が大事
「友達の家に行ったらいい香りがしたからうちに来たっていうのが、一番嬉しいですね。つけているときの香りも大事ですけど、やっぱり残り香が一番大事ですね。」

 

譲れないこと
やっぱり職人をしないとだめ
「うちの先代からよく言われていたのは、『職人をしないとだめ』。
職人として、ものづくりに対する真摯な姿勢を大切にしていかないと。だから『職人5割、商い5割』とよく言われていました。このバランスが長く続ける秘訣でもあります。その精神は、しっかりと継承していますね。」

手仕事ならではのオリジナリティ
「お線香のパッケージは、昔から代々、筆で書いていますね。私が店を継ぐことになって一番嫌だったのがこの仕事でした。もう苦労しましたね。なので、習字を習いに行かされました。今ではプリント技術がありますが、昔はそれがなかったので、手書きが代々続いています。手仕事ならではのオリジナリティがあるので、とても良いものだと思っています。」

天然物にこだわって
「昔ながらの柔らかい香りに仕上げるために、うちはできるだけ天然素材にこだわっています。オイルなどが入っているものとは違って、火をつけてから初めて香りが広がりますので、パッケージの上からの香りがしないんです。 市販されている製品の多くは、パッケージから香りがすると思います。そこはこだわっているところですかね。」
職人とは
地道にコツコツ
「新作も作ったりしていますが、うちは代々、地道にコツコツをモットーとしてやってきました。そんなに慌てないで。地味な仕事が多いですが、誇りを持ってやっています。」
継承について
変えるところ、変わらないところ
「今の商品を上手に守っていってくれたなと思います。新しいものを開発する際に意匠は変わることもありますが、香り自体はそう変えられるものじゃないので、変えるところは変えて変わらないところは変わらない。やっぱそれが一番いいかなと思います。」