EYEVAN

 


 

EYEVAN × KYOTO
interview 17

「色と向き合う染屋の仕事」
伊原染工株式会社 3代目 鳥海清さん(創業1936年 / 京都市右京区)
印刷技術はこの数十年進歩する中、染め型に染料を混ぜた糊をスケージにあて落とすという、原始的な方法をとっている伊原染工株式会社。調合室には試し刷りしたカラーの窓布が山積みになっており、奥の作業場は壁一面に型版が保管されている。積み重ねてきた歴史と仕事の厚みは話を聞かなくても伝わってくる。
伊原染工さんの“色”に対するこだわりや信念について、改めて伺いました。
“色”について
いいものは、色がしっくりくる
「色の深みは、機械に勝てると思う。手と目で染料を5つも6つも混ぜてやるからね。
でも、その違いを分かってくれる人がいないと厳しいですね、機械で安くできるものは沢山あるから。
良いものは、色がしっくりくる。それは眼鏡も一緒でしょうね。良いものは、色や形がしっくりくる。」

素直に、まず試してみる
「絵の作家さんとお仕事をした時に、なんぼやってもアカンって言われたことがあって。
先生に、なにがアカンのですか。って聞いたら、『私の絵には茜色が必ず入ってる』『茜色を入れると色に重みが出る』と先生が言わはって。それで、今まで合わせてきたやつに茜色を入れてみたらすぐにOKが出てね。そんなこともあるのか。と思って、今でも覚えてるね。それからは、色が渋すぎたら、茜色を入れてみるようにしています。」

 

継承について
きついし、しんどい、それでも続ける
「やっぱり、人が足りないね。力仕事やから。やりたがる人は少ないよ。
刷り台が27〜28メートルあるやろ。それが4台分だから、200メートル。 1枚しか版を使わないもんやったらいいけど、版を20台つかうものは、20往復やからね。きついし、しんどい。
けど、なんだかんだ続けてる。いつ辞めよ。って言ってるけど、辞めてへんのは、やっぱりお客さんがおるからなんかなぁ。」

いいものには、ちゃんと理由がある
「わかる人が見てくれはるとええなぁと思ってくれると思うんだけど、ただ百貨店に置いておいても、なんでこんなに高いの?って思われてしまったり。
せやから、このくらい手間がかかっていますよと説明してくれたら、なんぼでも売れると思うんだけど、そういう人が中々いないからね。
だから、EYEVANさんを通して、新しい層の人に手捺染の魅力が伝わったらいいなぁと思ってます。」
譲れないこと
期待に応え続ける
「お客さんから頼まれたデザインに意見を出すことはないね。ただ、色はきっちり合わせて持っていく。」
伝統とは
とにかく、長く続けていく。
「なんでも、続けるのが大事と思うけどな。
私も、学生の頃は絵のことは全然知らなくて、嫌いだったんよ。だから、こんな世界に入るとは思わんかった。
それでも、日展の先生とか、お弟子さんに教えてもらいながら今までやってきて、こんだけやってきたからこそ、色のことを言えるようになった。
それが1番と思うよ。」